高校卒業後 名古屋に就職し内装業(クロス工事業)に従事する
20歳の時 会社の寮の自分の部屋のクロスを貼り替える
当時は部屋でハムスターを飼っており クロスの貼り替えをしている間は別の部屋に避難させた
貼り替えが終わり 自分の部屋にハムスターを戻し 作業を手伝ってくれた先輩と食事に出かける
二時間後 食事から戻り部屋に入るとハムスターが倒れておりピクピクと痙攣を続け しばらくして息を引き取った
部屋に戻すまではいつも通りに元氣だったのにクロスを貼り替えたばかりの部屋に戻してからたった二時間で体調が急変した
可愛がっていたハムスターが亡くなったことはものすごく悲しかったが 亡くなった原因は容易に察した
貼り替えたばかりのクロスやクロス糊から揮発されていたTVOCガスがきっと原因であったのではと思う
クロスを貼ったばかりの部屋の空氣環境は非常に良くないと当時から聞いてはいたけど自身の体感はなく(そうなのかな)程度の認識だったが飼っていたハムスターの急逝でその空氣環境の恐ろしさを見せられた だが当時はまだ入って2年目の社員だし若く考えも浅はかだったので(仕事だから仕方ない)(自分が大丈夫ならいい)と割り切ってクロス工事の仕事をしていた
入社して丸4年が経ったタイミングで退職し地元の鹿児島へ戻り個人事業主としてクロス工事業をはじめた
「天職」と思っていたぐらいクロスを貼る事は大好きで誰よりも朝早くから誰よりも夜遅くまで仕事をし20代30代は心身ともに馬力もあったため昼も夜もバリバリ働いた とにかくクロスを貼ることが好きだった
それから年月は経ち
40歳の7月 自分の体の中に膀胱がんが見つかった
ショックだった
まさか自分がと思った
なんで自分がと思った
私はがん家系でもなく喫煙もしない 生活習慣も同年代よりむしろ氣を使っているほうだった
なのになぜ
当時の主治医に相談すると衝撃的な発言を聞かされた
原因はもしかしたら私の仕事にあったかもしれないと
膀胱がんになりやすい職業というものがありそれは印刷業 化学工場などで作業する人 だそうだ
印刷業においては膀胱がんは職業病であるとも言われているらしい